園芸業界においてサボテンの刺には鑑賞価値があると言われている。どれだけ太く立派な刺があるかどうかで価値が高かったり、低かったりする。この個体はそんな次元とは全く別のところで生きている。規則正しく展開するはずの刺は歪に生えたり生えなかったり。過酷な環境に置かれたであろうその生い立ちが荒々しい刺の形を作る。
〝いい顔してる植物〟をコンセプトに、独自の美しさを提案する植物屋。
店主みずからが日本中を旅して集めた個性あふれる植物を、
その個体の特徴を引き出す器とあわせて提案する。
店名は、店主が植物を見つける場所を叢と呼んでいたことから、
普通の人にとってはただの草の群がりに見える場所に、
個性ある美しさが眠っていることがある。『Qusamura』の〝Q〟は、「Question」からとったもの。
個性的な叢の植物たちに出合ったとき「これ、なに?」と、はじめに不思議を感じ、
「?」から叢の世界観に入ってほしいという願いを込めている。